保険をどうしようかと考えている方。ちょっと待った!保険を考える前に、公的な社会保険でどこまで保証されているのかを見てみたいと思います。今回は日本の平均的なサラリーマン、クレヨンしんちゃんの野原ひろしをモデルケースにして公的保険でどこまでが保障されているのかシミュレーションしていきたいと思います。
かのいう私も子どもが生まれて保険を検討しているので、今一度、社会保険の内容を整理したいと思います。
モデルケース
30代の子どもありの世帯で考えてみたいと思います。ちょうどクレヨンしんちゃんの野原ひろしがちょうどいいので彼をイメージはしてシミュレーションしてみます。

- 35歳、会社員(双葉商事)
- 妻みさえ(30)、息子しんのすけ(5)、娘ひまわり(1)
- 妻は専業主婦
- 年収500万円(月額額面約42万円)
- 住宅ローン残り32年団信あり(3000万円)
- 住宅は埼玉県春日部市の一戸建て
- 車は1台所有(通勤は電車)
保険の目的
保険はもしものために備えるもの。
今回は老後のための保険や子どもの学資保険は対象とせず、万が一心配される備えとして考えています。
野原ひろしの場合、心配されることをまとめてみました。
- 亡くなった場合の家族の生活費と養育費
- 入院した場合の医療費
- 車に乗るので事故への備え
- 戸建てなので地震・火災のリスク
亡くなった場合の家族の生活費と養育費の保障
年金で保障されていること
加入している年金には遺族年金という制度があり、残された家族に年金が支払われます。
①遺族基礎年金 年額123万300円
遺族基礎年金は一律78万900円ですが、子ども1人あたりにつき22万4700円加算されます。(第3子からは7万4900円)なので、子ども2人の野原家では123万300円が年額で支給されます。
子どもが18歳になるまで遺族基礎年金は支給され、ひまわりが18歳になるとみさえの受給資格も失われます。
②遺族年金厚生年金 年額約49万円
野原ひろしは会社員なので厚生年金に加入しています。
遺族厚生年金は計算が複雑なので省略しますが、平均報酬月額を40万円とすると概算で年額約49万円となります。こちらは子どもが18歳になっても子がある配偶者は生涯もらい続けられます。
①+②=172万300円(月額143,300円100円未満切り捨て)
月額14万で足りるのか?
内閣府が公表する「子供がいる世帯の年齢層別消費支出」の調査結果によると、3人家族の平均の生活費は月額31万円だそうです。
みさえがパートで月10万円稼いだとしても、6万円足りません。
住宅ローンの団信があり、住宅ローンの支払いが免除されてもギリギリです。
結論!野原ひろしは月10万円給付の収入保障保険に入るのが良い
妻が専業主婦のため、家族3人が困らない程度の生活を維持するためには公的な遺族年金プラス10万円程度あると良いと思います。
収入保障保険であれば必要な保障が安い保険料でまかなうことができるので良いと思います。
おそらく、月3000円程度の保険料になると思います。
入院した場合の医療費
健康保険で保障されている内容
健康保険は保険証を持っている方であればみなさん加入されています。健康保険は窓口で医療費を3割負担にできるだけでなく、高額医療費制度といって既定の限度額を超えて支払った医療費が戻ってくる制度です。
野原ひろしの場合は月額給料が40万ほどなので限度額は、80,100円+(医療費-267,000円)×1%となります。高額な治療で急性心筋梗塞の場合150万ほどなので、上の式にあてはめると92,430円となります。
だいたい、どんな病気になっても治療費の上限は10万円ほどだと思っていれば良いと思います。
差額ベッド代や入院時の食事代や生活費は高額医療費の対象外
差額ベッド代とは入院するお部屋によって発生する差額です。部屋によっては発生しない場合もありますが、個室にしたり、設備のレベルを上げたりすると発生します。
差額ベッド代の平均は、1日約6,000円と言われています。
食事代は1食460円と決められているので1日3食で1,380円となります。
これらは高額医療費制度の対象外となるので、自己負担ということになります。
結論!医療費として50万円ほどの貯金があれば医療保険は必要なし
高額医療費制度で治療費の限度額は10万円。
高額医療費制度の対象外となる、差額ベッド代・食費が60日分だとしても、7,380円×60日=44万円
なので大体50万円ほどの備えがあれば、医療保険は不要となります。
ただ、医療費として50万貯金するのが難しい場合は、入院日額5,000円程度を保障する医療保険に入るのがおすすめ。差額ベッド代が大きくなるのでその分を保険でまかなうという意味で医療保険を活用しましょう。
自動車保険と火災保険は必須
自動車や持ち家を持っている人は自動車保険と火災保険は必須です。
自動車保険について
自動車は対人や対物で損害賠償となった場合、その金額を自力で用意するのは難しい場合があります。そのもしもに保険を活用するのは、本来の保険の役割なのでありです。選ぶときは対人・対物保障は無制限にしてください。
野原ひろしの場合、車両保険は外しましょう。
彼は電車通勤なので日常的に車は使いませんし、妻のみさえも普段の足は自転車。しかも、頻繁にぶつけているので、そのたびに保険を使って直していると等級が上がって保険料が高くなります。よって、車両保険不要。
火災保険について
やたらと「ローンがあと32年残っているのにー!」と言っている野原ひろし。
家がなくなったら、ローンだけが残るという最悪の事態です。なので、保険で備えるのは理にかなっています。
火災保険は火災だけでなく、風、水害に備えるためのものです。春日部はハザードマップを確認すると利根川の近くに位置しており、3mほどの水害が想定される地域が多いので水害にも保険をかけた方がよさそうです。
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